“ikigai”(生きがい)を見つけるメソッド

みなさんの「生きがい」ってなんですか?

って聞かれて、パッと答えられる人は少ないんじゃないでしょうか?

ボクもその一人です。

そもそも「生きがい」ってなんやねん?と

人生の意味や価値など,人の生を鼓舞し,その人の生を根拠づけるものを広く指す。〈生きていく上でのはりあい〉といった消極的な生きがいから,〈人生いかに生くべきか〉といった根源的な問いへの〈解〉としてのより積極的な生きがいに至るまで,広がりがある。

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」

難しいしややこしいですよね?

ちなみにこの「生きがい」ですが欧米の国々では”ikigai”として、広く知られる概念となっています。

”manga”や”tsunami”と同じように、”ikigai”も生きる甲斐、すなわち「生きることの喜び・張り合い」「生きる価値」を意味する日本語として広められているんです。

そしてこの”ikigai”には下図のような形でちゃんと定義づけられているのです。

外側にある大きな4つの円が全て重なるところが”ikigai”である、と定義づけられています。

つまり「①好きなことで、②得意なことで、③お金が稼げて、④需要がある」これらを全て満たすものが”ikigai”になりうるのです。

これから先は、上の図に基づいて”ikigai”を一緒に探していきましょう。

なぜ”ikigai”を見つけることが必要なのか?

そもそもこの”ikigai”という概念ですが「平均余命が長い地域って他の地域と何が違うんだろう?」という視点で調査をした結果、1つの知見として発表されたものになります。

臨床心理士で東洋英和女学院大学准教授の長谷川彰宏氏は、2001年に発表した「生きがい」に関する研究論文の中で、「生きがい」という言葉を日常的な日本語の一部として位置づけ、日本人は日常生活における小さな喜びの積み重ねが、より充実した人生をもたらすと考えていることを発見した、とされています。

つまり、みなさんの寿命が後何年残っているかはわかりませんが「良い生きかた」をするために重要な要素の1つである、とボクは考えています。

メソッド① 好きなことを100個書き出す

これが1番しんどい作業です笑

「100個も出せないよー」ってこれを読んでる人は思うかもしれませんが、好きなことだったらなんでもいいんです。

例えばボクの場合、飼い犬のかーるちゃんだけに絞っても…

・かーるちゃんとお散歩をする

・かーるちゃんを撫でる

・かーるちゃんとボールで遊ぶ

・かーるちゃんとタオルで引っ張りっこする

・ドッグランで他の飼い主さんとお話をする、などなど1つの事象でも細かくしていくと意外とでてきます。

こんな感じで好きなことを列挙していってください、よーいスタート!

↓かーるちゃんとのいきさつについてはこちら↓

はい、100個出てきましたね?次の作業に移りましょう!

メソッド②−1 好きなことから得意なことを抜き出す

好きなことは得意なことになりがちです。

逆に得意なことは好きなことに必ずなります。

「数学嫌いなんだけど得意なんだよねー」って言いませんよね?

クリフトンストレングス(ストレングスファインダー)でも「得意なこと」に着目して、それを育てていくというコーチングをしていきます。

なぜかというと、圧倒的に伸びる幅が違うからです。

「好きなこと」から「得意なこと」をピックアップしてください。

「得意なこと」の定義はお任せします。

それをやって褒められたことがある、それについては誰よりも長く語れる。どんな基準でも良いですが、「なぜそれが得意なことなの?」と聞かれた時にちゃんと答えられるかどうかで判断してください。

メソッド②-2 好きなことから需要があることを抜き出す

メソッド②-1で得意なことを抜き出しましたが、余ったものの中から「需要があること」を今度は抜き出してみましょう。

ここでいう需要とは自分にとっての需要ではなく、他者にとって需要があるかどうかで判断してみてください。

例えば「日曜日の昼下がりに窓際でゴロゴロする」

これはあなたにとって需要があって、他人はあなたが日曜日の昼下がりに窓際でゴロゴロすることに対して需要があるかどうか。

少なくとも43歳のボクみたいなおじさんが窓際でゴロゴロすることに社会的な需要はないでしょう。

ですので、これは「需要がある」ゾーンには移動し難いです。

しかしこれが「日曜日の昼下がりに窓際でゴロゴロするかーるちゃんを眺める」だとどうでしょう?

43歳よりちょっと需要がありそうですよね?

自分で書いておいて「これはグレーだな…」って思いながらも一旦、需要があるゾーンに振り分けてみましょう。

こんな感じで「好きなこと」ゾーンで「得意なこと」にはいかなかったものを「需要があること」に移動できるか振り分けてみてください。

メソッド③ 「お金になるかどうか」振り分ける

メソッド②−1と②-2で振り分けたものが、お金になるかどうかを振り分けます。

この中にはすでにもうお仕事してやられていることが含まれているかもしれません。その場合はそれでOKです。

一番”ikigai”にしやすいものです。

一方で「数円にはなるだろうけど、生活はムリだな…」ってものも出てくるかと思います。

でもそれは、”ikigai”にしやすいものなので、大事にしてください。おそらく「Delight and fullness,but no wealth(喜びと充実はあるが金にならない)」の良い例だと思います。

この作業の中で導き出したいものは下図のBとCとDに位置するものがなんなのか、ということです。

メソッド④-1 B象限を”ikigai”にするには

B象限は「Satisfaction,but feeling of uselessness(満足だが、役に立ってない気がする)」状態です。

これは需要が足りてない状態、社会的に求められる必要があります。

が、これは自分だけの力では正直難しい部分があります。

ここに対して大きな労力を割くのは、リソースの無駄になるので一旦忘れてください。

戦わないことも作戦の1つです。

メソッド④-2 D象限を”ikigai”にするには

D象限を”ikigai”にするために欠けている部分は「得意なこと」という部分です。

「好き」で「需要があって」「お金になる」のがわかっているのに、自分には得意なことがない。

となると、リソースを割く場所は「好き→得意」の部分ですね?

得意になるための必須要素は「好きである」ことです。その要素を満たしているけど得意になれてないのは、好きが足りてないのではなく「得意」の探しかたが悪いんだとボクは思います。

一緒に探しましょう、いくらでもお手伝いします。

メソッド④-3 C象限を”ikigai”にするには

C象限で欠けているのは「好き」という部分です。

一番難しいビジネスモデルの壁を超えてきているのに”ikigai”にならないのは、前提条件がおかしかったか、途中で好きではなくなった=その他の象限に偏っているからではないでしょうか。

「黄金の亡者となるなかれ」

大局を見て、周囲に影響を与えてみてはいかがでしょうか?

メソッド⑤ 専門性を磨き、天職を探せ

って言われても正直わからないと思うんです。

何かに尖れって言われてもそう簡単にできるものではないですし…

ただ、考えかたとして以下の方法で”ikigai”に対してアプローチできないでしょうか?

 ・「好き×好き」で自分にしかないもの(≒尖ったもの)が出せないか

 ・足りないものを埋めようとするな、他で補え

「好き×好き」のクロスファンクションは圧倒的な尖りを生み出します、これこそが専門性への近道です。

100個出した好きを全部掛けて組み合わせてみてください、99×99=9,801通りの尖りができるはずです。(たぶん)

その中で「これはぶっ飛んでんな…」ってやつが”ikigai”に近づくための方法かもしれません。

それがあるかどうか考えてみてください。

また、足りないものに目を向けずに「今あるものがなんなのか」で考えてください。

だってないものはないんだもん、しょうがないじゃん。あきらめな?

最後に

たぶんこれを読んでる多くの方が”ikigai”を考える年齢ではないと思います。

しかしみなさん、残された時間はこれを読んでる間にも着々と減り続けているんです。

「今日が一番若い日」

いい生きかただった!って胸を張れるよう、ちょっとの時間でも考えていただけたなら幸いです。